ある欠陥公団マンションの記録

帰ってなんとなくテレビをつけていると、「ある欠陥公団マンションの記録」という番組をやっていた。内容はこんな感じ。

公団が建てたマンションが、信じられないほどの欠陥工事だった。殆どの部屋で雨漏りがし、壁が腐り、住んでいられる状態では無くなった。修繕業者が施工状況を確認した結果、いたるところのコンクリートが分離しており、その隙間を雨が伝っていたらしい。さらに解体してみると、あるべき場所に鉄筋が無かったりとずさんな工事が明るみになった。
あまりに酷い為に国会でも取り上げられた。そしてその際に公団側が主張したのが以下の様な事柄だった。

  • バブル最盛期だった為、優良な技術者の不足していた
  • 中堅ゼネコン共同発注で現場が混乱した
  • 工期が急がれていた
  • 忙しかったため設計がずさんだった

建設業界と言えば、仕組みのわかりにくいソフトウェア業界の説明をする時によく例えられる業界だ。また、昔からある業種故に建設方法論等が充実しており、業界としてまだ若いソフトウェア業界が見習う所が沢山あるという話もあった気がする。
それだけに、上の内容もソフトウェア業界にそのまま当てはめることが出来るのではないだろうか。優秀な技術者の不足、元受業者の下請け業者への丸投げ…。同じだ。俺は同じだと思う。IT業界も、将来どこかの大手企業があまりにずさんなソフトウェアを納品した為に信用を無くし、倒産に追いやられるだろう。
急速な技術の進歩、多様な要求、短い納期…。厳しい環境ではあるがソフトウェア業界に身を置く者として、上質なソフトウェアを作り続けたいものだ。