夏のゲーセン

今日も今日とて、ゲーセンへ。いつもは誰かと一緒に遊ぶことが多いんだけど、今日は1人で三国志大戦をやっていた。今日のゲーセンはお客さんもチラホラで、三国志大戦は独占状態だった。
しばらくプレイしていると俺の横やや後ろに子供が来て、俺がプレイしているのを見ていた。帽子を深く被っているから顔は見れなかったけど、小学生4年生くらいのようだった。
近くで見る人は結構いるので、俺は特に気にせずに遊んでいた。俺が一旦遊び終わって、他の台が空いているのを確認して連コインしようとすると、子供が俺に話しかけてきた。

小学生「ねぇねぇ、僕にもちょっとやらせてよ。」

たまにいるんだな。ゲーセンでプレイしている人にたかる子供が。でも残念ながら俺は、そういう子供には職場のクーラーのように冷たい。

俺「隣が空いてんねんから、自分でお金払ってやりーや。」

俺はそうと言い放つと、そのまま三国志大戦をプレイしていた。その子供はしばらくの間ごねていたようだったけど、しばらくすると黙って後ろで俺のプレイを見ていた。

…どれくらい遊んだんだろう。気付かないうちに閉店間際になっていたようで、何時の間にか店の照明が落とされていた。暗闇の中で映し出される三国志大戦のディスプレイが眩しい。
「ああ、帰らなきゃな」と思って顔を上げると、他のお客さんは既に帰ったようだった。お客さんどころか、店員すら見当たらない。きっと集金作業でもしているんだろう。あちこちでゲームのディスプレイだけが光っている。

俺「閉店なら言ってくれてもいいのに…そういえば蛍の光が流れてないなぁ。」

そう思いながら席を立とうとして振り返ると、そこにはさっきの子供が立っていた。1人きりだと思っていた所に不意を突かれて、ちょっとたじろぐ俺。

小学生「ねぇねぇ、遊んでよ。」

遊んでって…もうゲーセンが閉まる時間なんだぞ?小学生は帰って寝る時間…っていうか、18時くらいまでしかゲーセンにいれないだろ。

小学生「ねぇねぇ、遊んでよ。もう帰れないんだから。」

帰れるとか帰れないとか、そんなの俺の知ったこっちゃない。俺は帰れるから大丈夫だ。言動の不安な小学生は店員に任せて、取り敢えず店を出よう。
…と思うが、何故か席から立つ事が出来ない。

小学生「ね、もう帰れないんだよ。ずっとここにいるんだ。」

そう言って近づいてくる小学生。なんだこれは。なんか怖い。なんか怖いっつーか、滅茶苦茶こえぇ!!
近づいてきた小学生の帽子に隠れた顔を見ると、顔に、目も鼻も口も無い!!

うああぁhh!!何なんだ!?!?
俺はこのゲーセンに閉じ込められるのかあぁhhhh!!!!

…と言う所で目が覚めた。夢だった。
最近全然夢を見ることが無くてつまんなかったんだけど、久しぶりに夢を見た内容がコレとは。
しかも、寝たのが2時過ぎで、目が覚めたのが2時半。寝てから30分弱しか経ってない。夢のせいで寝てから30分後に起きることなんて、今まで1度も無かった。
それから寝るのには、かなり勇気が必要だった。寝て夢の続きからだったらどうしようとか考えてしまって。まあ大丈夫だった訳だけど。
今考えると、顔に何もついて無いって、のっぺらぼうか。ずいぶん古典的なモノが出てくるなぁ。古典的だけど、実際に目の前に現れたら滅茶苦茶怖かった。
なんだか夏らしくチョット怖い体験(夢だけど)をしたので、記念に書いておこう。