かざしグセ

一日の殆どを会社で過ごしていると、だんだん会社での生活が普通になってくる。そうすると、普段の生活にもついつい出てしまう会社でのクセもある。かざしグセもその中の一つ。
今俺が勤務しているビルには、部屋ごとにセキュリティーカードをかざさないと鍵が開かない扉がある。普通は入るときだけかざして出るときは自由で良さそうなものだが、このビルでは出るときも入るときもカードをかざさないといけない。
この生活に慣れてくると、「ドアを開ける = カードをかざす」の図式が出来上がってしまい、ドアの前に来ると手が勝手に首からぶら下げているカードをつかんでかざしてしまいそうになる。
会社にいるときでも、エレベーターやトイレのドアの前でかざしそうになる。家に帰っても、家のドアやトイレのドアの前でかざしそうになる。

…どっちもトイレが入ってるな。もしかして、前世ではトイレに入る前に何かをかざす身分だったとか。