設計止(と)めろの大号令

俺が今いるプロジェクトでは、お客様(エンドユーザーではない)が進捗の悪さを気にして、現状把握と管理レベルの強化を強いてきている。
具体的に言うと、モジュールレベル(〜.javaとか〜.jspとか)での進捗を管理するのだそうな。で、そのためにどの機能でどのモジュールを使用するかを明日の夕方までに調べ上げよという号令が発せられた。どれだけあるのかがわからないと進捗なんて取れるわけが無い。まあ当然だな。

資料作成だってコストがかかる

誰が見てもわかるようにスケジュールが押せ押せになっていてバッファ0の状態なのに、そんな追加資料を作っている余裕なんかあるわけがない。しかし、本番は一ヶ月先、資料は明日が期限なのである。当然、資料の作成が優先される。
新しく要求された資料に作成手順があるわけも無いので、サブシステムのリーダーや実装リーダーが必死になって資料作成に取り組むことになる。通常一番ボトルネックになっている彼らに、超ヘビー級最優先タスクが突如舞い降りることになるのだ。
その結果として遅れているスケジュールがますます遅れることとなり、リスケと調整に追われ、新しい資料の維持コストが追加され、さらにスケジュールは遅れていくこととなる。

本当に必要かを考え抜いて要求するべき

だからといって「スケジュールに余裕が無いんだから何も要求するな」と言っているのではない。確かに、本来あるべき資料が無いものは設計よりも優先して行なう必要がある。例えば、機能一覧が無いとなると「何を元に作るんだ」と言う話になるしテストだって進捗だって管理出来ない。
しかし、要求している(されている)管理資料が本当に必要なのか。無ければプロジェクトが成り立たないのか。管理コストは計測されているのか。管理コストの増加によるスケジュール遅延はどうやってキャッチアップするのか。これらが考えられていることは殆ど無いように思える。
お客様からすれば、そりゃあ「あったらいいな。これって今流行の見える化だよな。」なのかもしれない。普通の開発を考えれば、あって当然の資料なのかもしれない。でも、今このプロジェクトではないのである。そんなもん作ってる暇は無いのである。
そんな不毛な資料作成が何度も続くと、そのうち「そんなもん遅れるに決まってるやんけ」という開き直りに発展する。もちろんお客様の前でそんな態度は取らないが、確実にそのオーラはチームに広がり、プロジェクト全体に感染する。

なんとかなるのか

今のうちのプロジェクトには、確実にそのオーラが広がりつつある。もしかしたらもうダメ…?わからん。取り合えず寝る。